Shopifyではさまざまな決済方法を用意しているサービスですが、その中でも決済をお得にすることのできる「Shopifyペイメント」を活用しているストアは多いです。
しかし、Shopifyをはじめて利用した、これから利用するという方の中にはShopifyペイメントの機能や設定方法などについて知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Shopifyペイメントの概要やメリット、デメリット、決済方法、決済手数料、設定方法などについて詳しく解説します。
Shopifyペイメントとは?
Shopifyペイメントとは、Shopifyが提供する決済サービスです。
Shopifyでは外部サービスを利用することでさまざまな決済方法を利用することができますが、ShopifyペイメントはShopifyが公式に提供する決済方法であることから、ほかの決済方法に比べてさまざまなメリットがあります。
Shopifyペイメントの決済方法
Shopifyペイメントの決済方法は以下の通りです。
- クレジットカード
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Apple Pay
- Google Pay
- Amazon Pay
- Shop Pay
- PayPal
このように、国内主要のクレジットカード会社はもちろん、スマホ決済をしたいユーザーにも対応できるようにApple PayやGoogle Pay、PayPalなどの決済方法にも対応しています。
Shopifyペイメントの決済手数料
Shopifyペイメントの決済手数料は以下の通りです。
ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | Shopify Plus | |
---|---|---|---|---|
VISA | 3.40% | 3.30% | 3.25% | 3.15% |
MasterCard | 3.40% | 3.30% | 3.25% | 3.15% |
American Express | 3.90% | 3.85% | 3.80% | 3.75% |
JCB | 4.15% | 4.10% | 4.05% | 3.75% |
その他海外発行のクレジットカード | 3.90% | 3.85% | 3.80% | 3.75% |
このように、Shopifyで利用しているプランによってShopifyペイメントの決済手数料が変動し、料金の高いプランを利用すればするほどクレジットカードによる決済手数料は安くなります。
また、Shopifyペイメント以外で決済をした場合、上記の決済手数料に加えて0.15%〜2.0%ほどの決済手数料が追加されます。
Shopifyペイメントを導入するメリット・特徴
Shopifyペイメントを導入するメリット・特徴は以下の通りです。
- 導入するときに審査を受ける必要がない
- 決済手数料以外の費用がかからない
- 顧客の決済状況をリアルタイムで管理することができる
- 越境ECにも適した支払い方法を設定できる
- カゴ落ちを防止することができる
- 入金サイクルが短い
それぞれのメリット・特徴について、以下で詳しく解説します。
1.導入するときに審査を受ける必要がない
ShopifyペイメントはShopifyストアで簡単な設定をするだけですぐに導入することができるため、審査が必要ありません。
Shopifyペイメント以外の決済方法を導入する場合は審査を受けなくてはいけないことが多く、審査の内容によっては数週間〜1ヶ月ほど時間がかかってしまうことがあるため、タイムロスになってしまいます。
しかし、Shopifyペイメントは審査が必要なくすぐに導入できるため、Shopifyでネットショップを開設した直後から決済を利用することができるのです。
ただし、Shopifyペイメントでは売上金額(決済金額)が増加してきた段階で審査が必要になるということを覚えておきましょう。
2.決済手数料以外の費用がかからない
Shopifyペイメントは決済手数料以外の費用が発生しないことも大きなメリットです。
Shopifyペイメント以外の決済方法を利用する場合、Shopifyではない外部サービスを利用することとなるため、決済手数料とは別に以下の取引手数料が発生します。
ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | Shopify Plus |
---|---|---|---|
2.0% | 1.0% | 0.5% | 0.15% |
月額料金の高いShopify Plusのプランを利用しているのであれば、それほど大きな手数料にはなりませんが、利用者数の多いベーシックプランやスタンダードプランを利用している場合、1回の取引で1.0%〜2.0%の取引手数料が決済手数料とは別で発生してしまうため、大きなコストとなってしまいます。
たとえば、ベーシックプランを利用して10,000円の商品を100個販売した場合、1回の取引手数料が200円となるため、合計の取引手数料は20,000円となります。
このように、1回の取引手数料はそれほど高額ではないものの、販売個数が増えれば増えるほどコストが膨らんでしまうため、取引手数料が発生しないShopifyペイメントを利用することがおすすめです。
3.顧客の決済状況をリアルタイムで管理することができる
Shopifyペイメントでは決済情報をリアルタイムで確認・管理することができます。
売上がリアルタイムで状況把握できないと、売上管理をしにくいですが、Shopifyペイメントではリアルタイムで更新されるため、死の心配はありません。
また、決済が保留になっている支払いについては、銀行支払いが完了したタイミングでメール通知が来る設定が可能です。
注文だけでなく売上や出荷管理、返金対応などをひとつのダッシュボードで管理できることも大きなメリットとなります。
4.越境ECにも適した支払い方法を設定できる
Shopifyは日本で提供されているECサイトプラットフォームの中でも、海外向けに商品を販売する「越境EC」に強いサービスとして知られていますが、Shopifyペイメントを利用することでさらに越境ECをスムーズにすることができます。
ShopifyペイメントではShopify側が通貨の両替を行い、現地の金額で料金表示をすることができるため、購入時に料金が想定よりも高くなるというトラブルが発生しませんが、外貨に対応していない決済方法を導入している場合、両替時に想定よりも高額になることから商品が購入されないというリスクがあるのです。
たとえば、2024年2月27日現在、1ドル=150.78円というレートですが、1ドル=130円だと思っている人がいるとします。
この場合、100ドルの商品を買うときに、想定であれば13,000円ですが、実際は15,780円となるため、高いから購入をやめてしまう人が多くなるでしょう。
この例は日本の例ですが、日本よりも物価の安い国の人が日本の商品を購入したいと考えたときにも同じようなことが起こるため、越境ECにおいては外貨での表示ができるShopifyペイメントを使うべきなのです。
5.カゴ落ちを防止することができる
「カゴ落ち」とは、商品をカートに入れたにも関わらず購入されなかった商品のことを指しますが、ECサイトの大きな課題となっています。
Shopifyペイメントでは、主要なクレジットカード会社に対応しているほか、Shop Pay・Apple pay・Google payなどの決済方法を利用することで、クレジットカード情報や住所などの情報を自動入力してくれるため、購入者の手間を大きく省くことができるのです。
その結果、カゴ落ちの割合を少なくし、売り上げの拡大に繋がります。
6.入金サイクルが短い
Shopifyペイメントの入金サイクルは最短5日〜最長11日に設定されているため、入金までのラグが少ないことも大きなメリットです。
特にShopifyでストアを開設した直後は売上を早く入金して欲しい場面も多いですが、最短5日で入金されるため、資金繰りにも困ることは少ないでしょう。
Shopifyペイメントを導入するデメリット・注意点
Shopifyペイメントを導入するデメリット・注意点は以下の通りです。
- 対応していない決済方法もある
- 海外を拠点としている場合は利用できない可能性がある
- 外部サービスでクレジットカード決済ができなくなる
それぞれのデメリット・注意点について、以下で詳しく解説します。
1.対応していない決済方法もある
Shopifyペイメントは、コンビニ決済・銀行支払い・後払いといった決済方法に対応していません。
Shopifyペイメントに対応していない決済方法を導入したい場合は、Shopifyペイメントではなく「SBペイメントサービス」などの外部サービスを併用して行う必要があります。
そのため、Shopifyペイメントと外部サービスの両方で売上管理をする必要があることを覚えておきましょう。
2.海外を拠点としている場合は利用できない可能性がある
Shopifyペイメントは以下の地域のみに対応しています。
- オーストラリア
- オーストリア
- ベルギー
- カナダ
- チェコ
- デンマーク
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- 香港特別行政区
- アイルランド
- イタリア
- 日本
- オランダ
- ニュージーランド
- ポルトガル
- ルーマニア
- シンガポール
- スペイン
- スウェーデン
- スイス
- イギリス
- アメリカ
これらの国と地域以外で開設したShopifyストアではShopifyペイメントは利用できません。
日本でストアを開設した場合には問題なくShopifyペイメントを利用できますが、サポートしている国以外でストアを開設する場合はShopifyペイメントが利用できないということを覚えておきましょう。
3.外部サービスでクレジットカード決済ができなくなる
Shopifyペイメントを利用する場合、外部サービスによるクレジットカード決済を併用することができません。
Shopifyペイメントを利用前に外部サービスによるクレジットカード決済を行っていた場合、外部サービスによるクレジットカード決済は停止されてしまうため注意が必要です。
Shopifyペイメントの設定方法
Shopifyペイメントの設定方法は以下の通りです。
- STEP①:銀行口座の要件を満たしているかを確認する
- STEP②:ストアの通貨を確認する
- STEP③:Shopifyペイメントを有効化する
- STEP④:必要情報を入力する
それぞれの設定方法について、以下で詳しく解説します。
Shopifyペイメントの支払いを入金する銀行口座と紐づけるとき、Shopifyの要件を満たしている必要があります。
Shopifyが銀行口座に求める要件は以下の通りです。
”対象となる銀行口座として、送金の受け取りが可能で、なおかつあなたの国でShopifyがサポートしている通貨での支払いを受け取る資格がある当座預金口座を使用する必要があります。”(引用:Shopifyヘルプセンター「Shopify ペイメントの銀行口座要件」)
Shopifyペイメントを有効化する前に、ストア通貨が「日本円」になっていることを確認しましょう。
ストア通貨の設定は、「設定>一般設定」から行うことができます。
ストア通貨を確認したら、「設定>決済>Shopifyペイメントを有効にする」からShopifyペイメントの有効化を行います。
Shopifyペイメントを有効化するに当たって、以下の情報が求められます。
- 会社(個人事業主)情報
- 個人情報
- 銀行口座(支払い受け取り用)
- 銀行情報
- サービスの詳細
- カード明細書に表示させる請求書情報
これらの情報を入力すると、Shopifyペイメントの導入は完了です。
まとめ
本記事では、Shopifyペイメントの概要やメリット、デメリット、決済方法、決済手数料、設定方法などについて詳しく解説しました。
ShopifyペイメントはShopifyの決済方法のなかでも取引手数料がかからない唯一の方法となるため、特別な理由がない限りは導入するべきです。
設定方法も簡単ですし、スタートアップのストアにも嬉しい機能がたくさんあるため、使わないほうがデメリットが大きいでしょう。
ぜひ本記事を参考にしてShopifyペイメントを活用してみてください。